ふれあい日記

《カイコは何故桑葉しか食べないのでしょうか?》

 以前から不思議に思っていたのですが、"日本絹の里"(高崎市金古)の展示で少し謎が解けました。
 まず、桑葉に引き寄せられ、ムシャムシャと噛み付き、おいしいと飲み込ませる訳は、触覚でカイコの好きな青くさい香りの青葉アルコール、さわやかな香りのシトラールを感じるのです。
次に、甘い味のするショ糖、ブドウ糖、果糖が含まれていて、桑葉を食べたくなるのです。
カイコの成長に必要で絹糸を出すもとになる必須アミノ酸も含まれています。
おいしいと飲み込ませるのに、セルロース(食物繊維)という物質、食欲を高める炭酸カルシウムが含まれているのです。
カイコが嫌いな他の植物に感じる苦味成分は桑葉にはありません。これらの条件でカイコは桑葉が大好きなのです。
 近年、赤ちゃんカイコに人工飼料を与えます。しかし大きくなったら生の桑葉を食べさせます。
それは桑葉に含まれているウレアーゼという酵素が、排泄する前にアンモニアを分解して再吸収し、絹糸タンパクのもとになるアミノ酸にかえます。人工飼料ではウレアーゼが加熱されるので酵素の働きを失うからです。
 広食性カイコという桑葉以外のりんご等苦味を感じずに食べるカイコがいますが、最後までは栄養不足で育ちません。
 カイコが好きな桑葉の栄養は、私たち人間にも同じですので、桑の恵みをいただきましょう。


桑イメージ

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